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米ライドシェア報告3:「コロナ後」に向けたビジネスモデルとは - 日経ビジネス電子版

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米シリコンバレーでライドシェア大手、リフトのドライバーをしている吉元逸郎氏が、ライドシェアのドライバーの実情について紹介する。1回目は新型コロナウイルスの感染が広がる中、ライドシェアの現場で何が起きているのか、2回目はライドシェア大手のリフトやウーバーテクノロジーズの企業姿勢について触れた。3回目は新型コロナウイルスの影響が大きく残るであろう社会で、ライドシェアビジネスがどうあるべきか、現場のドライバーの立場から考える。

 新型コロナウイルスの影響で需要が急激に減っており、いつ戻るのか分からない。乗客を待つドライバーの業務効率は15%かそれ以下に落ちている。まず短期的に必要なのは、労働の平準化だろう。

ドライバー用のアプリに表示された、新規ドライバーの紹介依頼メッセージ。3月に入り表示されたが、新たにドライバーになっても、十分な仕事ができないのが現状だ

 需要が大きく落ち込んだ状況で、ドライバーにいかに効率的に働いてもらうのか。本来であればリフトのドライバーエクスペリエンスのチームがすぐに対策を打ち出すべきではないか。

 例えば、筆者は以下のような施策が必要と考える。まずドライバーを7つのグループに分ける。そして8時間ずつ1日おきに午前、午後、夜間と3回、1週間に計24時間分だけ働いてもらう。そして残りの時間はリフトのドライバー以外の仕事に従事してもらう。生涯ライド数の多い、より忠実なドライバーや、直近の半年ほどのライド数が多いドライバーが優先的に好きなグループを選んでもらえばいいだろう。

 また、最近は感染のリスクを嫌って、ライドシェアに乗りたくない人が多いという話も聞く。

 例えば、ドライバーだけでなく乗客にもマスクの着用を強く勧めてはどうだろうか。マスクは他の人にうつさないために着用するものであるという新しい道徳観を、米国人に体得してもらういいチャンスである。乗客にマスクを渡すのもいいかもしれない。

 また、ドライバーが多く集まる空港の待合場所で、マスクやポケットティッシュ、消毒用ジェルなどを提供してはどうだろうか。

 次に中期的な課題である。連載の1回目2回目でも紹介してきたが、我々ドライバーの手取り収入は年々減っている。サンフランシスコ市街地で週に50~60時間、リフトの仕事をしている筆者の、オンライン1時間当たりの実質的な収入は2018年の約13ドルから19年には8~10ドル程度まで低下した。オンラインとは乗客からの乗車リクエストを受けられる状態になっていることを指す。

 ちなみにカリフォルニア州が定める19年の最低賃金は従業員25人の会社で13ドルだ。サンフランシスコ市は15ドルだった最低賃金を19年7月1日から15.59ドルに引き上げた。

 我々がオンラインで乗客を待っている際には、車を止めて休んでいる場合が多いため、単純に比較はできないが、最低時給を下回っている状況だ。ファストフードで仕事をした方が時給はいい。

 なぜそのようになっているのか。リフトから筆者に送られてくる明細書を基に18年と19年の収入と支出を分析した。

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April 22, 2020 at 03:03AM
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