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ビジネス価値向上のカギは「データまわりの透明性」と「コラボレーション」 - 日経 xTECH Active

三位一体のデータガバナンス

 デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みの拡大に伴い、ビジネスにおけるデータの価値は急速に増大しつつある。この取り組みを成功させるために、今多くの企業の注目を集めているのが「データガバナンス」だ。ガバナンスというと、多くの人が内部統制をはじめとした「管理」や「保護」といった固いイメージを持つのではないだろうか。しかし最新のデータガバナンスにおいては、DXの取り組みの中でデータをビジネスに「活用」することを前提として、「管理」、「保護」といった一連の活動を企業レベルで連携させることが期待されている。

 この3つの活動に同時に取り組んでいる企業、それも部門単位ではなく全社規模で取り組んでいる企業はそれほど多くはない。一方で、DXに成功している企業に目を向けて見ると、ビジネスの価値向上や革新を目標に掲げた、この三位一体のデータガバナンスの取り組みを既に実践している。データガバナンスの関心の強まりは、これら成功企業に影響を受け、データ活用がビジネスの成功に必須であるという認識が定着してきたからといえるのではないだろうか。

 では、データによってビジネス価値を最大化するためには何が重要なのか。それは自社のビジネスに関わるすべての人々がデータを正しく活用できることにほかならない。

 企業内でデータに関わる人は多岐にわたる。データに関する高い技術スキルや知識を持つ情報システム部門やデータエンジニア、アナリスト、データサイエンティストのほか、データに関する知識は弱いがビジネスに強い営業やマネージャー、経営者といった業務ユーザーらがいる。

 従来のデータ活用は、この前者の限られた人材の中で進められることが多かった。しかし、ビジネス価値を最大化するためには、ビジネスに強くその人数が圧倒的に多い業務ユーザーの参画が必要不可欠である。この業務ユーザーがデータをどれだけ活用できるかが、データによって生み出すビジネス価値を大きく左右することになるのだ。

 そこで求められてくるのが、真のデータの民主化である。データに比較的強い業務ユーザーを中心としたセルフサービスBIだけでは物足りない。「データに詳しくない一般の業務ユーザーでもデータを自然に取り扱えることを目指す」、これが真のデータの民主化であり、それを支えるのがデータガバナンスである。これを全社規模で実現するにはどのような課題と、解決策があるのか、次ページ以降で見ていきたい。

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