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100億円突破の競走馬セレクトセール ディープ産駒が席巻(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、2020年の競走馬セレクトセールについてお届けする。

 * * *  北海道苫小牧市のノーザンホースパークにやってきた。セレクトセールだ。  日本競走馬協会の主催で1998年より続く世界有数のセリ市である。サラブレッド流通の活性化のため、上場される競走馬を厳選していることから「セレクト」の命名がある。今年は7月13、14日の2日間。新型コロナの国難は治まる気配もなく、人の密集が懸念され、開催は危ぶまれた。しかし競馬界の未来のためにガッツで開催にこぎつけたのだった。  今年は雰囲気が違う。人は少なく風通しはいいものの、どこかピリピリしていた。馬以外はマスク着用で、そのせいかすべての人間の眼光が鋭く光り、まさにセリ市といった緊張の塩梅なのである。とはいえ、馬が好きで競馬を愛する思いは同じ。1日目の落札価格のトータルは昨年の107億3200万円に及ばなかったものの、2年連続で100億を突破。上々の活況であった。  まず1歳のセリで度肝を抜かれた。なんといっても目玉はディープインパクト産駒だ。大種牡馬が昨年亡くなったため、今年生まれた子が最後なので、セリの主役になるだろうと予想されたわけだが、それにしてもド級のインパクト。13頭上場で9頭が1億円超え。うち2頭が落札価格の記録(3億6000万円)を更新した。「フォエヴァーダーリングの2019」(4億円)と「シーヴの2019」(5億1000万円! 国内1歳史上最高)。ディープ産駒だけで計約25億。落札価格のトータルが104億2800万円だから、4分の1をディープ産駒が占めた。

 会場を見渡せば、唯一マスクをしていない人間が。進行役のセリ人である。名調子がセリ値を上げる。「おっと8000万! 8200ありませんか? いかがですか? ございませんか、ありませんか?」と歯切れよく畳みかける。そのとき計ったように若駒の嘶き(いななき)。彼らの目くばせが会場の空気を迫り上げることは間違いない。ただ見ているだけの私の気持ちも浮き立ってくる。  ただし。ある馬主さんは言う。 「セリ自体は変わらずスムーズでしたけど、いつもの賑やかさが、ちょっとね」  社交に乏しい。たとえば。会場に騎手の姿がない。例年なら勝負服ではない普段着のジョッキーたちの姿が新鮮である。不要不急を避ける移動の自粛。だが、セレクトセールはセリという経済行為と同時に、馬主さん、生産者、調教師、騎手、記者などが一堂に会する交流の場でもある。取材するプレスも27人だけ。100人超えが通常なので4分の1だ。  しかし。私はそこに居た。記録破りの2馬を目の当たりにできた僥倖。きっとクラシックに出るぞ! ダノンダーリングとショウナンシーヴか?  2年後に愉楽が待っているってのもなかなかの贅沢だ。そのころには、今の日本の閉塞感も霧散しているはずだ。きっと。 ●すどう・やすたか 1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。 ※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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August 09, 2020 at 05:05AM
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