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古いビジネスをクラウド上に復元するのではない 新しいデジタルワークフローに移行せよ - ASCII.jp

Box アーロン・レヴィCEOがリモート会見

2020年06月23日 09時30分更新

文● 指田昌夫 編集●大谷イビサ

 Box Japanは6月19日、企業のニューノーマル化に向けてのBoxの取り組みについて説明するオンライン記者会見を開催した。その冒頭、米国からアーロン・レヴィCEO、共同創業者兼兼会長がオンラインで登壇し、「変わりゆく働き方~場所、時間、働き方を解き放て~」と題したプレゼンテーションを行なった。

アーロン・レヴィ Box Inc.CEO 共同創業者兼兼会長

感染拡大と同期して世界各地でBoxの利用も拡大

 Boxは2005年に「世界をコラボレートする」というミッションを掲げて創業。レヴィCEOは、「創業以来、今ほどこのミッションが重要だと感じていることはない。社会は3カ月前とは大きく変わった。このようにオンラインで話していることが、それを現実だと示している」と語った。

 レヴィCEOは、この数カ月に世界で起きた劇的な変化、すなわちリモートワークへの突然の移行を、世界各国におけるBoxのオフィス以外からのアクセス状況で示した。それによると、3月に入って最初にイタリア、スペインで、オフィス外からの利用が100%になり、欧州全体に広がった。3月中旬には米国、カナダでも1週間のうちにオフィス以外の利用が100%に。そして、日本では4月移行50%程度の利用が続いている。この動きは完全に、各地の感染者の拡大状況とリンクしている。

リモートワークへの移行とBoxの利用状況

「働く場所だけでなく、仕事のあり方、働き方も大きく変わっている。Boxの利用時間は昨年より早朝、または夜に広がっている。結果的に、長時間働くことになっている。またコラボレーションも劇的に増えている。企業間をまたいだ膨大なコラボレーションがさまざまな業界で増え、Boxも支援している。特に政府、医療機関、教育などの働き方が大きく変わった」

 すべてが「新しい働き方」へ向かっているとレヴィCEOは言う。これまでの9時~5時の定時勤務から、もっと俊敏に、どこからでも働ける態勢へ。またリアルタイムにコラボレーションができる。多くのワークフローがデジタル化、自動化される必要がある。

 その変化に合わせて、ビジネスで使うツールも変わってきている。さまざまなクラウドツールが使われるようになっており、オンラインのファイル編集、ビデオ会議、メッセージングなどの利用が大きく伸びている。それぞれに定番のツール「ベスト・オブ・ブリード」を利用して、その組み合わせで働くことができる。

 こうした新しい働き方にうまく適応する企業こそが生き残り、新しい世界の中で成長していくことになる。「新しいビジネス環境は、古いビジネスをクラウド上に復元することではない。オペレーションを抜本的に刷新することが必要だ」とレヴィCEOは主張する。

新しい働き方の中心にはコンテンツがある

「遠隔医療、銀行ではデジタルのサイン、オフィスのペーパーレス化など、全ての業界がデジタル化されたワークフローによって大きく変わっていく。その実現は、コンテンツを効率よく、安全に活用できるかにかかっている。すべてのビジネスはコンテンツを中心に動いていると言っていい。いかにセキュリティの高い形でコンテンツを管理するかが重要だ」

 レヴィCEOは、「従来のコンテンツ管理は、残念ながらいろいろな壁に直面している」とみている。アプリケーションごとに別々のコンテンツ管理システムが導入され、取り扱いが難しく、統一されていないので、業務が複雑になっている。またセキュリティや管理基準の統制が取れていない。これでは、ビジネスプロセスの中に組み込むことが難しくなるという。

 コロナ対応で、企業はコンテンツをリモートからアクセスできるように、社内のファイルサーバーにいくつかのクラウドサービスを追加したケースが多い。たとえば、社外共有や大容量転送のためのクラウド、またプロジェクト用に外部企業と横断でつなぐクラウド、個人用のクラウドなど、複数のクラウドにコンテンツの複製が保存される。だがそうすると、すべてバラバラのアカウントで管理され、当然コンテンツの世代もバラバラに複製が拡散してしまう。管理の問題だけでなく、ファイル容量も複製の分だけ増大する。

「1つのプラットフォームで、コンテンツ、ワークフロー、コラボレーションを実行できなければいけない。それを実現するのが、Boxのクラウドコンテンツ管理だ」

 Boxには3つの特徴がある、とレビィCEOは言う。「1つ目はフリクションレスなセキュリティとコンプライアンスの実現、2つ目は、シームレスな社内外のコラボレーションとワークフロー、そして3つ目はさまざまな定番の業務アプリケーションのコンテンツ管理としての機能統合だ」

 Boxでは、ほとんどの業務アプリケーションとAPI連携ができるため、コンテンツを一元管理することが可能だ。各業務アプリケーションからのアクセスは、閲覧、編集、加工などの権限をコンテンツごと、フォルダごとに、利用者の役職や部署によって設定することができる。利用者が誤って権限のない人にファイルを送ってしまっても、それは開くことができない仕組みだ。

「Slack、Teams、ServiceNowなど、アプリケーションは何を使ってもいい。それらのコンテンツをすべてBoxで管理することで、働き方をシンプルにすることができる」

さまざまなアプリケーションのコンテンツをBoxへ一元化

 コンテンツを利用するビジネスユーザーは、1つのコンテンツをデバイスやアプリケーションに関係なく利用することができるため、複数人でのコラボレーション、ワークフローをシンプルに実現する。またIT部門は、コンテンツの保護と管理を1つの基準で運用でき、データ漏洩や破壊を防ぎ、役職や社内外のコンテンツの権限管理を行なえる。

 このような特徴があるBoxのクラウドコンテンツ管理を活用することで、ニューノーマルのビジネス環境へスムーズに移行できるとレヴィCEOは語る。

「すべてのオフィスがいつ再開するかわからない状況だ。しかしはっきりしているのは、働き方はもう未来に向かって動き出したということだ。つまり、時間を問わずどこにいても働ける環境、デジタルワークプレイスが働く環境になる。Boxはデジタルワークプレイスの推進に邁進する」

 また、ニューノーマルに向けたBoxの進化の方向性として、レヴィCEOは、「リモートワーク、コラボレーションが急増する中で、さらに多くのデバイス、アプリケーションとシームレスにつながり、素早くコンテンツ共有ができる世界を目指す」と語った。

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