パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、サプライチェーンマネジメント(SCM)ソリューションを展開するBlue Yonder(ブルーヨンダー)に出資すると発表。8億米ドル(約860億円)の投資で20%の株式を取得することで提携を強化し、「オートノマス(自律的な)サプライチェーン」の実現を目指す。
パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社は2020年5月20日、オンラインで記者会見を開き、サプライチェーンマネジメント(SCM)ソリューションを展開するBlue Yonder(ブルーヨンダー)に出資すると発表した。パナソニックは2019年1月にブルーヨンダーと両社の技術を統合する協業を発表しており、同年4月には日本国内の工場、倉庫、流通業向けにSCMソリューションを提供する合弁会社の設立を決めている。今回の出資で両社はさらに関係を深め、工場、物流、小売など各業界のサプライチェーンに対して、現場の機器でさまざまなデータを収集し、それらのデータ分析の結果から自動で最適化を行う「オートノマス(自律的な)サプライチェーン」の実現を目指す。
ブルーヨンダーはグローバルで3300社の顧客を持つ米国の大手SCMソリューションベンダーで、製造、流通、物流の各業界の大手企業と強いつながりを持つ。1985年の創業からさまざまな企業の買収を重ねる中で、2018年にAI・機械学習を強みに持つブルーヨンダーを買収。サプライチェーンの革新にそのAI・機械学習技術を掛け合わせていく方針を打ち出し、2020年2月には社名をJDA Softwareから現在のブルーヨンダーに変更している。
ブルーヨンダーの企業価値は55億米ドル(約5910億円)に上る。今回パナソニックはブルーヨンダーの株主である投資会社のニューマウンテンキャピタルに8億米ドル(約860億円)を支払って20%の株式を取得する契約を締結した。これにより、パナソニックはブルーヨンダー取締役会9議席のうち1議席を占めることになる。なお、投資完了時期は未定だが2〜3カ月程度を想定しているという。
会見に登壇したパナソニック CNS社 社長の樋口泰行氏は「CNS社は顧客のあらゆる現場をイノベートする『現場プロセスイノベーション』をビジョンに掲げてきた。現場の機器のデジタル化が進む中で、デジタル制御やプロセスの統合コントロール、IoT(モノのインターネット)でデータを収集・分析しAI(人工知能)と連携させるなどのニーズが高まっており、これらの現場プロセスと上位ソフトウェアとの連携がますます十条になっている。そのために必要なケイパビリティを持つブルーヨンダーへの出資は、現場プロセスイノベーショのビジョンをさらに一歩進化させるステップになる」と語る。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でサプライチェーンが果たす役割の重要性も浮き彫りになっている。「リモートで制御したいというニーズも高まっており、両社のパートナーシップ拡大は真にソリューションを提供する会社になるための力強い第一歩になるだろう」(樋口氏)。
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May 21, 2020 at 04:30AM
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