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いよいよ企業活動が本格再開、「ウィズコロナ」で営業・ビジネスモデルはどう変わる?|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch

新型コロナウイルス感染症に対する政府の緊急事態宣言の解除拡大を受け、産業界では経済活動の正常化に向けたフェーズに入る。だが、新型コロナは長期的な対策が避けられず、企業は引き続き従業員や取引先などへの感染拡大防止に取り組みながら、新たな事業戦略や行動様式が求められる。「ウィズコロナ」の状況下で企業はどう動くか―。

新しい行動様式 マスク継続/残業禁止/ウェブ会議

エスペックは10人以上の会議を原則禁止、テレビ会議などを活用する。「出社前の検温を義務付け、従業員は通勤時のマスク着用」(西谷淳子執行役員)とともに来訪者にはマスク着用協力を要請する。

日新工機(埼玉県川口市)は、残業を当面禁止。社員は乗用車で通勤し、オフィスの席の間隔は2メートル以上空け、マスク着用も継続する。「ビデオ会議システムなどを利用したオンライン営業活動を今後検討する」(上原正吉社長)としている。

東京コーン紙製作所(埼玉県春日部市)は、社員を二つのグループに分けて出社日を設定。取引先とは「電子メールや電話、ウェブ会議で対応している」(押田政人社長)。

IHIは新型コロナ対策の一つに新たな勤務様式を盛り込んだ。経団連の予防対策ガイドラインに沿って対応する方針。井手博最高執行責任者(COO)は「事務所や製造現場で試行錯誤を繰り返しており、働き方を変えていく」と説明する。

日本ガイシは生産現場の「3密」を避けるため、従業員同士が一定の距離を取り、マスクを着用する。宣言後、間接部門は出社が約3割、テレワークが約7割。本社のある愛知県は宣言が解除されたが「各自治体で違いが出てくる。それに合わせた対応を検討する」(大島卓社長)。

三井化学もテレワークを推進。本社は全体の10%を切る出社状況だ。研究部門もテレワークを活用し、「ポストコロナをにらんだ製品開発は、オンライン会議で顧客とすり合わせを行いながらしっかり取り組む」(中島一常務執行役員)。eBASEは社員の8割弱がテレワークを実施。地方に出張する必要性が薄れ「営業面では従来比1・5―2倍程度効率化できている」(窪田勝康取締役執行役員)と手応えを実感する。

コロナ禍で企業の行動様式が変わる。緊急事態宣言後、従業員を出社とテレワークに分けている(イメージ)

一方で手探りの状況もある。サンゲツは8割の社員でテレワーク可能な体制を敷いた。だが、安田正介社長はテレビ会議の容易さは認めつつも「物理的に距離の近い打ち合わせも重要」と実感した。

津田駒工業の子会社の共和電機工業(金沢市)は、4月に感染者を確認した後、工場の一部操業を止めて消毒作業を実施。以後は工場の入退管理の厳格化などを徹底。営業でビデオ会議を活用するが「新規の引き合いに対応するのはなかなか難しい」(松本勝常務)など試行錯誤が続く。

パナソニックは在宅勤務を推進したことで、一部の製品開発で数カ月程度のスケジュールの遅れが発生した。社員も徐々に慣れてきたが「実際の試験設備を使った実験や検証はバーチャルで行うのは難しい」(梅田博和取締役常務執行役員)のが実情。宣言が解除された地域から原則在宅勤務を解除しつつあるが、効率化の面で今後もウェブ会議など在宅勤務の仕組みは積極的に活用する考えだ。

デジタル化推進 ドローン配送・オンライン商談

感染症対策で急速に進展すると見られるのがデジタル化だ。

日本郵政は郵便物配送のデジタル化を見据える。人工知能(AI)を活用した配送ルートの効率化、飛行ロボット(ドローン)などによる配送を想定。増田寛也社長は「人的ノウハウに頼るのではなくデジタル化を進める」と方針を示す。

展示場閉鎖や外出自粛などで、住宅部門の集客、受注に影響がでている旭化成は「ITを活用したデジタルマーケティングや生産性向上で新型コロナの影響を最小限に抑えたい」(柴田豊副社長)とする。

SUBARU(スバル)は、オンラインで新車販売の商談をする「シームレスショッピング」を活用するなど工夫を凝らす。元々、2000年以降社会人になった「ミレニアル世代」を取り込む米国での商談の仕組み。対面営業がしにくい状況で販売店での活用を広げ販売への影響を最小化する。中村知美社長は「改善の手を緩めずウィズコロナの対応に取り組む」と力説する。

「今回、デジタル化の必要性を痛感した」と三菱ケミカルホールディングス(HD)の越智仁社長は強調する。遠隔管理で工場のリスク低減やスタートアップ企業との連携を加速。「我々の仕事も100%デジタルでなければついていけなくなる」と危機感を示す。

教育・医療・買い物・娯楽などでオンライン化が拡大(イメージ)

リコーの山下良則社長は「OAメーカーからデジタルサービスの会社に変わる」と宣言する。デバイスとデジタルサービスを組み合わせた価値提供を進めると同時に、業務プロセスのデジタル化など社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する。セイコーエプソンの小川恭範社長も、アフターコロナの社会について「デジタル化の加速をキーワードとした変化が生まれる」と予測。「増加する在宅などでの印刷に対応したサービスの提供を強化する」と話す。

迫られる変革 CASE加速・部品供給網再構築

コロナ禍は多くの産業に変化をもたらし、企業に戦略転換を迫ることになりそうだ。例えば車。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)という新潮流が一層加速しそうだ。マツダの古賀亮取締役専務執行役員は「研究開発や設備投資の効率化を進め、浮いたリソース(経営資源)を変化を先取りする領域に充当したい」と意気込む。

ホンダは東日本大震災以降、サプライチェーン(部品供給網)の強化に取り組んできたが、新型コロナ影響で生産活動が停止した。八郷隆弘社長は「我々だけではできない制約があり、今回身に染みて分かった」と振り返る。生産の安定化に向け、サプライチェーンの再構築を進める。

「(新型コロナ拡大前と比べ)社会・経済の構造が変わる変数がたくさんある。ニューノーマル(新常態)の経済状態になる」―。中部電力の林欣吾社長はエネルギー消費の変化をこう見据える。省エネや社会課題を解決するコミュニティーサポートインフラの提案など「サービスをどう提供するのかが大事」(林社長)だ。

テルモの佐藤慎次郎社長は、新型コロナを機に「医療のパラダイムシフトが加速する」と確信、「ポストコロナに備え、競合に打ち勝つことも重要だ」とし、競争力強化の準備を急ぐ。

大和ハウス工業の芳井敬一社長も「ライフスタイルの変化に対応した(住宅や商業・物流施設などの)商品・サービスの提案や、新たな需要を拡大するパートナー企業との取り組みなど、アフターコロナをタイムリーにキャッチアップできるよう準備する」と力説。

サンゲツは得意とする新築住宅市場の成長鈍化を見据え、ホテルなどの非住宅リフォームを強化。安田正介社長は「(壁材、カーテンなど)単体の提案ではなく空間の提案が必要。これを伸ばすことが収益化のもとになる」と強調する。

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は今後、教育・医療・買い物・娯楽などのオンライン化が加速すると予測。「人々が物理的に触れ合わなくても、オンラインで心を触れ合うことで新産業が興るのではないか」と期待する。

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May 24, 2020 at 07:03AM
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