インドネシアにおける新型コロナウイルス感染拡大で、インドネシアでは企業活動にも影響が出ている。2月11日付インドネシア紙「インベスターデイリー」によると、インドネシアにおけるブライダル業界の規模は、2019年に約56兆ルピア(約3,831億円、1ルピア=約0.0068円)に達し、2020年には20~30%増加するとも予想された。2017年には佐賀県に本社を構えるアイ・ケイ・ケイが現地法人を設立するなど、同市場を有望視する日系企業も存在する。
新型コロナウイルスの影響により、ブライダル業界がどのような影響を受けているか、バンドン市に本社を構えるPT. Hijau Indah Selarasのゼネラルマネージャーのジェアニタ・ヘンドリ氏にヒアリングを行った(4月1日)。
(問)貴社の概要と提供しているサービスについて。
(答)2015年にジャカルタで創業、2017年にバンドンにも店舗を構えた。さまざまなベンダー(カメラマン、食品ケータリング会社など)と連携し、「ワンストップウェディングサービス」を提供している。自社でもジャカルタに7カ所、バンドンに4カ所の結婚式場を所有している。私が担当しているのはバンドンにあるセスコアドという式場。
(問)通常はどのくらいの頻度および規模の結婚式を開催しているか。
(答)1カ月に約10回開催している。インドネシアにおける結婚式は、西洋式もしくは各地の伝統様式の2種類。伝統的なスタイルは、モスクなどで少人数の挙式を行い、その後披露宴を開催するもの。当会場の場合、大規模な披露宴になると1,000人が参加する。
(問)新型コロナウイルスによる貴社ビジネスの影響について。
(答)3月19日にインドネシア警察が大規模な集会開催の自粛を国民に求めたことにより、結婚式もキャンセルの動きが広まった。3月28日から4月18日の間に10件予定されていた結婚式は現状、6月以降に全て延期となっている。挙式だけでも行いたいという要望があった場合は、警察の許可を取った上で、少人数で開催するようにしている。伝統的なスタイルの場合、挙式はモスクで行うことが多く、人数を8人程度に制限している。挙式が終了次第、すぐに解散してもらっている。当社は挙式会場を自社で有している関係で、日程調整は比較的柔軟に対応できている。料金については、一部のベンダーとの関係で追加料金が発生する場合もある。
インドネシアにおける新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大で、同業界にも影響が出ている。インドネシアのウェディング協会である「ハスタナインドネシア」が行ったCOVID-19による同業界への影響に関するアンケート(注)では、約85%の企業が新型コロナウイルスによりネガティブな影響があったと回答した。さらに23%が従業員の解雇を検討するなど、深刻な状況となっている。ジェアニタ・ヘンドリ氏は、こうした新型コロナウイルスによるブライダル産業への逆風を受け止めつつ、自粛下の現在でも提供できる最低限のサービスによって、需要を取り込む方向だ。
(注)インドネシア国内のウェディングオーガナイザー、ケータリング企業、ホテルなど91社に対し2020年3月後半にアンケートを実施(詳細は添付資料参照、インドネシア語)。
(シファ・ファウジア、上野渉)
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April 16, 2020 at 10:10PM
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現地ブライダル企業に聞く新型コロナウイルスの影響(インドネシア) | ビジネス短信 - ジェトロ(日本貿易振興機構)
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