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「緊急事態宣言、特措法の不備改め基本法を」 - 日経ビジネス電子版

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JR渋谷駅前のスクランブル交差点。緊急事態宣言が発出された翌4月9日、午前10時ごろ

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、安倍政権が4月8日、ついに緊急事態宣言を発出した。同宣言の法的根拠となる特措法には憲法違反の疑義がある。憲法に緊急事態条項がないにもかかわらず、緊急事態宣言を発出可能にしているからだ。発出の要件にも瑕疵がみられる。危機管理の専門家である福田充・日本大学危機管理学部教授は「今回の危機が収束し平時に戻ったら、従来の感染症法では対処できない危機事態を想定した感染症基本法のような恒久法について冷静に議論すべきだ」と指摘する。

(聞き手 森 永輔)

福田さんは、今回の緊急事態宣言の発出は遅すぎたと評価しています。それは、なぜですか。

福田:今回の緊急事態宣言は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下、新型インフル特措法)に基づいて宣言されたものです。この法律は「新型インフルエンザ等感染症」と「新感染症」を対象にする法律。今回の新型コロナウイルスをこの「新感染症」に位置付ければ、法改正をすることなく、もっと早く緊急事態を宣言できたはずと考えるからです。

福田 充(ふくだ・みつる)
日本大学教授 危機管理学部部次長。1969年、兵庫県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。専門は危機管理学、リスクコミュニケーション、災害対策、テロ対策など。コロンビア大学客員研究員、日本大学法学部教授などを経て2016年より現職。内閣官房新型インフルエンザ等対策有識者会議委員など政府の有識者会議、委員会の委員多数。著書に『リスクコミュニケーションとメディア』(北樹出版)、『テロとインテリジェンス~覇権国家アメリカのジレンマ』(慶應義塾大学出版会)など。(写真:加藤 康)

新型インフルエンザ等対策特別措置法 第2条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

新型インフルエンザ等 感染症法第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第九項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。)をいう。

感染症法 第6条 9

 この法律において「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐があると認められるものをいう。

 「新感染症」は一言でいうと未知の感染症で、その強毒性や変異のあり様が分かっていないものを指します。何が起こるか分からない。なので、危機管理の鉄則を適用すべきです。最悪の事態を想定し、緊急事態宣言を含む強い措置を最初の段階で実施する。それが不要と分かったら弱めていく。「空振り三振はしても、見逃し三振はするな!」ということです。

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April 13, 2020 at 03:05AM
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