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コロナショック、 Amazon のファッションビジネスにも打撃 - DIGIDAY[日本版]

Amazonのファッションビジネスが打撃を受けている。3月半ば、このネット通販の巨人は、医療用品と家庭用品の配送を優先するために、不要不急な物品の出荷を一時中断した。Amazonでは、現在、自社ブランドを含むアパレル製品をはじめ、必需品ではない物品の配送に最大1カ月の遅れが出ている。

eコマース調査会社マーケットプレイスパルス(Marketplace Pulse)のデータが示すように、現在、Amazonでの生活必需品の検索は、もっともなことではあるが、急増している。検索ワードの上位には、トイレットペーパー、手指消毒剤、ペーパータオル、大人向けのパズル、マスクなどが並ぶ。検索上位100商品のリストに、アパレル製品はひとつもない。デジタルエージェンシーのボブスレーマーケティング(Bobsled Marketing)を創業したキリ・マスターズ氏によると、これは普通ではありえないという。

「以前は、メンズの白いTシャツなど、普段使いの衣料品がいくつか見られた。目下、その手の商品はひとつも上がってこない。Amazonは何でも買えるエブリシングストアだが、いま、消費者がAmazonに求めるはもっぱら家庭用品だ。ファッション関係の商品に用はない。アパレル企業にとっては大きな痛手だ」と、マスターズ氏は語る。

ターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)など、プライベートレーベルのファッション製品を大々的に展開している大手小売企業に対抗するため、Amazonはこの2年間、ファッションビジネスにテコ入れしてきた。

2019年6月には「ザ・ドロップ(The Drop)」を立ち上げ、ファッションインフルエンサーとのコラボレーションを開始した。Amazonは、このザ・ドロップを2〜3週間ごとの不定期で開催し、インフルエンサーがデザインした限定アイテムを販売している。注文受付は30時間限定で、完売すれば、終了が早まることもある。このコレクションでは、春休みや夏期休暇に合わせたデザインなど、流行や季節を意識したアイテムを扱っている。夏到来を控えて、今後の開催は不透明だ。だが少なくとも、インフルエンサーの@somewherelatelyによる3月16日の販売は延期となった。3月5日のサイ・デ・シルバ(Sai De Silva)のコレクションを最後に、ザ・ドロップは開催されていない。

D2Cブランドにとっての好機

消費者の関心が必需品に集中する一方、Amazonでは部屋着その他のアパレル商品を対象に無期限の配送遅延が生じている。この状況は、D2CブランドにAmazonから市場シェアを奪取するチャンスをもたらしている。

「D2Cブランドにとっては、過去の成功事例を有効に活用し、費用効率の良い広告やプロモーションの機会を利用する好機到来だ」と、コンサルティング会社のトゥーニル(Tow Nil)で最高経営責任者(CEO)を務めるマーク・ザムナー氏は指摘する。「D2Cのファッションブランドは顧客とのあいだに心情的なつながりを模索できる。だがAmazonは、一部の競合他社に比べると、会社の規模が大きい分、このような側面ではやや限界がある」。

アドア・ミー(Adore Me)のコンテンツ部門を率いるランジャン・ロイ氏は、「この時期、Amazonの配達遅延は、アドア・ミーのようなD2Cブランドに好機をもたらす」と述べている。同社では、先月、「購入前に自宅で試着」サービスの利用者が増加し、返品期限を30日から90日に延長した。

「[Amazonが]世界中の何でもかんでもを一両日で配達することができなくなり、我々は皆、注文した商品は待つものだという時代に逆戻りしている。これは、速さではAmazonに決して太刀打ちできない我々にとって、興味深い議論だ。[これまでなら]この領域でAmazonに対抗しようとするのは、悪あがきにほかならなかった」。アドア・ミーのロイ氏はそう語る。同社の場合、注文の処理に一両日かかり、配送に要する標準的な日数はその後3営業日から7営業日という。

Amazonにとっての復活の目

それでも、今後数週間で米国の都市封鎖と店舗閉鎖が解かれはじめれば、Amazonのファッションビジネスに復活の目はまだある。この4週間で、ざっと1000万人のアメリカ国民が失業給付金を申請した。店舗の休業にともない、ここ数週間でオンラインショッピングが急増しているという複数の報告がある一方、この先数カ月、支出を控え、より安価な衣料品を求める消費者は増えるだろう。

「150余の自社ブランドを展開するAmazonは、流行の商品を手頃な価格で買いたい顧客にとって、買い物先候補の最右翼だ」と、ボブスレーマーケティングのマスターズ氏は指摘する。加えて、多くの国民が自宅にこもれば、Amazon Liveのようなサービスの人気も急伸するだろう。Amazon Liveは、QVCのようなショッピング専門チャンネルに対抗するため、同社が2019年2月に開始した買い物番組のライブ配信サービスで、Amazonで買えるジュエリーや普段使いの靴製品など、特にファッション分野の番組を増やしてきた。

マズターズ氏いわく、「Amazonには、消耗品に近い商品を売るブランドが数百規模で存在する。これは彼らにとって非常に大きな実験だ。近い将来、安くて良い商品を求める潜在顧客がいるとしたら、安価で供給元のしっかりした無名ブランドをそろえるAmazonは、格好の買い物先にちがいない」。

KATIE RICHARDS(原文 / 訳:英じゅんこ)

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April 14, 2020 at 02:50PM
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