新型コロナウイルス感染症対策を検討する政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)は19日、都市部で感染者が増えており、今後は爆発的な感染拡大の可能性があるとの分析結果を公表した。長期戦を覚悟して警戒を続け、全国的な大規模イベントの再開は引き続き慎重に対応するよう提言した。
同会議は、感染者1人がうつす平均人数を表す「実効再生産数」で国内の状況を分析した。値が1を上回れば感染が広がることを示すが、国全体では「3月上旬以降は連続して1を下回り続けている」とし、「持ちこたえている」と評価した。
だが、海外から帰国した感染者や、都市部を中心に感染源が不明の感染者が増えている地域が散見されると指摘。こうした地域が全国に拡大すれば、爆発的に患者が急増する「オーバーシュート」につながりかねないと警鐘を鳴らした。その場合は、数週間の外出禁止措置や都市封鎖などに追い込まれると警告した。
提言では〈1〉クラスター(感染集団)の早期発見・対応〈2〉患者の早期診断・重症者への集中治療の充実〈3〉市民の行動変容――の基本戦略を強化する必要があるとした。市民や事業者には、「換気の悪い密閉空間」「人が密集している」「近距離での会話や発声が行われる」の3条件が重なる場所での行動を十分抑制することが重要とした。
特に全国的な大規模イベントは、3条件を避けにくい場所とし、再開する場合は慎重な対応を求めた。主催者がリスクを判断して、適切な感染予防対策などが講じられない場合は中止や延期が必要とした。
一方、可能な限り社会経済活動を維持するため、地域ごとの対応の必要性も強調した。感染が拡大している地域では一律自粛を検討する。確認されていない地域では、学校活動や、屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用などはリスクを判断した上で実施してよいとした。
同会議は、適切な対応をとればオーバーシュートは防げるが、欧州や米国など海外で感染者が急増しており、長期戦を覚悟して警戒を続けるべきだとした。
専門家会議がまとめた提言のポイント
▽クラスター(感染集団)の早期発見・対応を継続する
▽換気の悪い密閉空間、人の密集、近距離での会話や発声の三つの条件が同時に重なった場を避ける
▽大規模イベントは集団感染が起こるリスクがあり、開催の可否は慎重に判断。対応できなければ中止か延期をする
▽入院治療が必要ない軽症者や症状のない感染者は自宅療養。入院の対象は重症な肺炎患者などとする
2020-03-19 15:48:26Z
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